大橋ちっぽけ×Kaco、フレッシュに輝いた歌唱のコントラスト

 シンガーソングライターの大橋ちっぽけとKacoが8月6日、東京・渋谷duo MUSIC EXCHANGEで『大橋ちっぽけと!Kacoの!「坊っちゃん、マドンナ 3色だんごツアー」』の東京公演をおこなった。本ツアーは東京、大阪、愛知の3カ所でおこなわれ、大橋ちっぽけとシンガーソングライターKacoによる2マンライブ。東京公演ではゲストアーティストに熊川みゆを迎えてのライブとなった。それぞれの歌唱の魅力のコントラストが映える、シンガーとしての各々の魅力が明瞭に、色鮮やかに伝わってくるものだった。東京公演の模様を以下にレポートする。【取材=平吉賢治】

18歳のシンガー熊川みゆが放つ生命力溢れる歌声

 2マンツアーの初日東京公演、トップバッターを務めたのは熊本県出身18歳のシンガーソングライター・熊川みゆ。オープニングアクトのゲストアーティストとして登場し、「あの日夢を」「blue bird」「夜の舞踏会」などを含む5曲を、芯のある歌声で力強く歌い上げた。

 途中、MCで「温かく見守って頂きたいと思います」と、初々しい表情でオーディエンスに挨拶。サポートミュージシャンと2人で演奏された各曲を、安定したプレイと芯のある歌声で堂々と披露。シンガーとして“完成形”、そして“のびしろ”も十分に感じられ、これからの活躍に期待が膨らむステージを見せてくれた。

 歌唱だけではなく、アコースティックギターとルーパーを使用してのパーカッシブなプレイで魅せるなど、若干18歳とは思えないほどの演奏力で堂々とパフォーマンスした。特に、熊川のパワフルな声量には目を見張るものがあった――。真っすぐ胸に飛び込んで来るような生命力溢れるストレートな歌声は、シンガー・熊川の核となる武器であると感じずにはいられなかった。

大人っぽさと愛嬌溢れるKacoの魅力

Kaco(撮影=高田真希子)

 そしてライブは「坊っちゃん、マドンナ 3色だんごツアー」“マドンナ役”の、Kacoのパフォーマンスへと進む。Kacoのステージ編成はドラム、ベース、そして自身がプレイする鍵盤、というシンプルなスタイルだ。表情豊かなKacoの歌唱は、聴き手の心を優しくフレンドリーに引き込こむような魅力に溢れていた。楽曲は「クリームソーダ」から、チャーミングな笑顔を交えつつ、華やかな歌声と演奏で彩り溢れる音を重ねた。

軽やかな運指の鍵盤弾き語りで披露された「ジュノーの花道」では、しっとりとした質感の、伸びやかな歌声が真っすぐに放たれ、オーディエンスがKacoの音楽にグッと引き込まれていく。

「ミーナの水槽」では、 大人っぽい歌い回しのなかにも愛嬌が溢れるKacoの歌が存分に味堪能。踊るような鍵盤プレイでリズミックに披露された「涙の割りかた」では、オーディエンスのクラップを誘い、Kacoの明るい雰囲気と笑顔が音として、一斉にフロアに広がった。

 楽曲「大器晩成」では、前半は鍵盤と歌でブルージーにしっぽりと聴かせ、後半はハーフシャッフル・ビートでバンドインして心地良く聴き手を揺らした。Kacoが放つ音楽のキュートで華やかな空気感は、会場の雰囲気とオーディエンスの感情を満開に咲かせていくようだった。

 MCでKacoは、「大橋ちっぽけとの出会いは新宿のライブハウスでの対バン。大橋さんの素敵な歌声に惹かれ、話しかけたら同じく愛媛県出身だった」というエピソードを明かした披露。最後は「ありさま」をしっとりと鍵盤弾き語りで歌い上げ、大橋ちっぽけにライブのバトンを渡した。

 Kacoの歌声は、大人っぽい面もありつつ純粋なエモーションを帯び、抑揚のバランスが秀逸――。楽曲のテイストはジャジーなものからポップなものまで、非常にカラフルで、様々な表情が楽曲からも歌唱からも表されているのが、“Kacoの音楽”として統一性が感じられるものだった。

大橋ちっぽけ「温かいみなさんに迎えられて良い初日に」

大橋ちっぽけ(撮影=高田真希子)

 ブルーの照明のなか、アコースティックギターを構えた大橋ちっぽけは「マツヤマ」からスタート。この日はアルバム『ポピュラーの在り処』からの楽曲を中心としライブを構成。ソフトなアルペジオの演奏、人間的な温かみと若々しい清涼感、クールな叙情感の合わさったような大橋の歌声は、“歌”としても“音”としても、聴き触りが抜群だ。一つ一つの言葉に込められた想いがダイレクトに染み入り、心の中に楽曲の情景がふわりと浮かび上がるようだった。

 6/8拍子に体を揺らしながら演奏された「ダイバー」では、心地良い浮遊感のファルセット・ボイスが心の琴線を優しく撫でるようだ。Kacoとはまた別のカラーの純粋さが歌と楽曲に表れ、ライブに鮮やかなコントラストをつくった。大橋はMCで、「僕、最近元気がなかったんですけど、楽屋のKacoさんが凄く楽しくて」と語り、Kacoの明るい人柄に感化されていたことをにこやかに吐露した。

 「ルビー」では指弾きでギターを奏で、ルーパーでビートや他パートと同期させつつの弾き語りという、新世代シンガーソングライターの演奏スタイルを魅せる。笑顔を交えつつ、パーカッシブなギター演奏で披露された「アイラブユーにはアイラブユー」では、オーディエンスのクラップとも同期し、ハッピーで温かいバイブスを醸していた。

 そして「テイクイットイージー」からはドラム、ベースを加えてのバンドスタイルでライブを走らせた。意気揚々と歌う大橋の声はバンドアンサンブルのなかでも明瞭に光り、シンガーとしての存在感を鋭く示していた。

 「温かいみなさんに迎えられて良い初日になったと思います」と、大橋は最後のMCでツアー初日の手応えをオーディエンスに伝えた。更に、YouTubeドラマ『主人公』の主題歌と挿入歌を担当することを発表した。そして、新世代の若々しさが8ビートに乗る「オレガノ」を本編ラスト曲として披露し、ツアー初日の公演は清涼感溢れる空気感で会場を満たし、清々しく幕を閉じた――。

アンコールの模様(撮影=高田真希子)

 ツアー初日の好演に応えるように、オーディエンスからはアンコールが沸いた。ステージにはこの日の全出演者が登場し、5人でのコラボレーションで「上を向いて歩こう」のカバー、そして大橋とKacoの2人による「悲しくてやりきれない」のカバーが披露された。

 終始明るく朗らかなフィーリングのなかで走り続けた本公演の全セットリストが終了した。新世代のシンガー3人による本公演は、これからのシンガーソングライターが切り開く道を、明るい未来を、輝かしい3つの光で射すようだった。

セットリスト

『大橋ちっぽけと!Kacoの!「坊っちゃん、マドンナ 3色だんごツアー」』
2019年8月6日@東京・渋谷duo MUSIC EXCHANGE

<熊川みゆ>

01.あの日夢を
02.Blue bird
03.Ancient story 
04.夜の舞踏会   
05.A wonderful day

<Kaco>
01.クリームソーダ
02.amenotorico
03.ジュノーの花道
04.ミーナの水槽
05.たてがみ
06.涙の割りかた
07.大器晩成
08.ありさま

<大橋ちっぽけ>
01.マツヤマ
02.ダイバー
03.ルビー
04.アイラブユーにはアイラブユー
05.信じてほしい
06.テイクイットイージー
07.夢の中で
08.オレガノ

ENCORE

<大橋ちっぽけ×Kaco×熊川みゆ>
EN1.上を向いて歩こう

<大橋ちっぽけ×Kaco>
EN2.悲しくてやりきれない

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